データベース名 | 説明 |
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禪林象器箋
ぜんりんしょうきせん 刊記 : 寛保元年 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
全20巻、目録1巻。 禅林の規矩・行事・機構・器物などのついて、その起源・意義など、その縁由、意義を詳述したもの。一種の禅学大事典である。 寛保元年(1741)3月1日から校譌をはじめ、毎日20紙ずつ、5月26日に終える。時に89歳。 |
虚堂録犂耕
きどうろくりこう 刊記 : 亨保14年 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
全30巻、目録2巻。 『虚堂録』10巻に対して、注釈を加えたもの。『虚堂録』は、宋の虚堂智愚の語録で、古来、「文字禅」の最高峰とされているが、また難解を以て知られる。応・灯・関の源流にあたる祖録であるため、わが国の禅林では特別な意味をも持っている。古来の虚堂録抄を縦覧し、これを批判し整理し、あらたな見解を付した無著の注釈は、『五家正宗賛助桀』とともに、禅録解読のためには欠くべからざる霧海の南針である。 無著道忠が享保12年(1727)3月1日から執筆を始め、同14年8月28日に成った。時に77歳。 |
五家正宗賛助桀
ごけしょうしゅうさんじょけつ 刊記 : 寛保元年 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
全20巻、目録1巻。 南宋の希叟紹曇『五家正宗賛』4巻に対して、注釈を加えたもの。他に附録1巻があり、緒餘・未決・闕解などを収録する。『五家正宗賛』は、初祖菩提達磨大師より雲峯真覚禅師までの12人の高僧ならびに臨済宗・曹洞宗・雲門宗・潙仰宗・法眼宗の五家各派の祖師、計74人の略伝を叙述し、さらに四六文の賛頌を付し、その宗風を明らかにしたものである。日本でも室町以来、禅林で広く読まれ、詩文を作成する際の拠り所となり、注釈書も作成された。本書は、先人の解釈を批判的に継承し、新たに独自の見解を示した『五家正宗賛』注釈の決定版である。無著畢生の大作『虚堂録犁耕』とともに、無著解釈学の双璧であり、禅録解読には不可欠である。 宝永2年(1705)10月に、紀州吹上寺の大梅和尚の弟子東首座から『五家正宗賛』を解説するように請われたのを機に、宝永3年(1706)8月1日から執筆が開始され、翌宝永4年(1707)9月7日に『五家正宗賛助桀』20巻の初稿が完成した。これと平行して、無著は、同年9月2日から『五家正宗賛』の講義を始め、同年11月20日に講了している。また享保11年(1707)5月1日から翌12年正月10日にかけて、一旦旧稿を清書し、その後、寛保元年(1741)6月1日より校閲を開始する。毎日20紙ずつ、同年8月11日に終える。時に89歳。 |
葛藤語箋
かっとうごせん 刊記 : 寛保4年 所蔵 : 春光院 撰者 : 無著道忠撰 |
全10巻。 本書は、禅録・史伝の中から、俗語・故実・禅語などの語彙を選び出し、1言から8言に分類し、更に、宗乗・師接・学修・人倫・名姓・心肢・性慧・愚滞・動作・乖戻・歌曲・言詮・数目・実辞・虚詞・天象・時年・地載・方処・生植・器具・金宝・衣帛・食餌・禽畜の25項に分ったものである。各語に対して、まず出典を明示し、さらには用例の異同を示す。また従来の解釈に対しても、実証的に批判・考証を加えた上で、詳細な解釈を施す。禅録解釈に不可欠の禅語辞典であり、該博な知識を駆使した無著畢生の撰述書である。 元文4年(1739)道忠87歳の時に脱稿し、寛保4年(1744)に浄書を終え、序文を付す。時に92歳。この歳に無著は示寂。 |
大慧普覚禅師書栲栳珠
だいえふかくぜんじしょこうろうじゅ 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
『大慧普覚禅師書栲栳珠』(以下『栲栳珠』)は、無著道忠が、宋の大慧宗杲『大慧普覚禅師書』(以下『大慧書』)に対して、『大慧書抄』等の古解を批判的に継承した上で、新たに独自の見解を施した『大慧書』注釈の決定版である。この注釈は、書簡や禅録の解釈にも有用である。『大慧書』とは、公案禅を大成した大慧宗杲が、居士等から寄せられた書簡に対して、禅の要諦を説き示した書簡62通のことをいい、弟子の慧然や黄文昌が収集し、乾道2年(1166)に開版された。その後、日本・朝鮮でも数度にわたって刊行され、禅林で広く読まれたものである。 無著は、延宝4年(1676)に、活堂禅師の『大慧書』の提唱を聴き、衆僧の要請で、活堂禅師の提唱を改めて講じてやった。延宝8年(1680)には、雑華院の春首座のために『大慧書』を講じ、そして元禄7年(1694)、衆僧に対して『大慧書』を講じている。『栲栳珠』は、当初『大慧書解』の名であり、無著が、正徳2年(1712)4月から筆を援り、翌年2月に一旦完成する。この時に『栲栳珠』と改題。同年(1713)4月、再び『大慧書』を講じ、評唱の後に、新たに典故の検出できたものを増箋。享保7年(1722)8月に、再び点検質正を始め、翌年5月に終了。その間並行して、享保7年9月から、毎月六度『大慧書』を講じた。拝聴を許可された者は、わずか六人。翌年(1723)5月、提唱を終了。その際に『栲栳珠』の体裁も、従前の10巻から15巻に改められる。時に71歳。なお『栲栳珠』緒余からは、享保14年(1729)77歳までの補訂の跡がうかがえる。無著が、五十年以上にわたり、心血を注いだ労作の一つである。 |
江湖風月集解
ごうこふうげつしゅうげ 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
『江湖風月集解』(内題『江湖集訓解』)。無著道忠撰。全2巻。 本書は、南宋元初の禅僧の詩偈選集『江湖風月集』2巻の注釈である。『江湖風月集』は禅林で広く愛読され、注釈書も多数あり、宗門七部書の一つとされる。上巻は、南宋の松坡宗憩(無準師範の嗣)編と考えられ、計33人、134首を収録する。下巻は、後代の人物の手に成り、41人、130首を収録する。他に別本増入分の5人、6首がある。総計79人、270首。その成書過程は詳しくはわからない。『江湖風月集解』は、無著遷化後、妙心寺衡梅院の可山禅悦により、龍華院で発見された未完の稿本である。後に、可山禅悦は、これまでの注釈書の集大成とも言うべき『江湖風月集訓解添足』を著わすが、無著道忠の『江湖風月集解』をほぼ忠実に引用した上で、資料と見解を補い再編集したものである。 検索結果画面の詩偈本文の次に「禅文化版 p.○○○」とあるのは、芳澤勝弘編注『江湖風月集訳注』(禅文化研究所、2003年)のページ数である。 |
敕修百丈淸規左觽
ちょくしゅうひゃくじょうしんぎさけい 所蔵 : 龍華院 撰者 : 無著道忠撰 |
全20巻、目録1巻。 『勅修百丈清規』8巻に対して、註釈を加えたもの。『勅修百丈清規』は元の順帝の勅によって東陽徳煇が編集し、笑隠大訢が校正したもっとも完備された禅宗清規であり、唐の百丈の「古清規」の精神に本づきつつ、後代の『禅苑清規』その他を総合し、新たに制定し直したものである。 元禄12年(1699)10月に、『勅修百丈清規』の講義を請われたのを機に、同年10月1日から執筆が開始され、翌元禄13年(1970)1月9日に『勅修百丈清規』の註釈が終わる。写し取った枚数は実に1400帳であった。同年1月17日より『勅修百丈清規』の講義を始め、同年4月2日に講了している。また正徳6年(1716)までの17年間において欠けている箇所を補い誤りを訂正し、更に再校補筆し享保3年(1718)に完成する。時に66歳。無著解釈学を代表する著作である. |
風流袋
ふうりゅうぶくろ 刊記 : 寛保4年 所蔵 : 鹿苑寺(金閣寺) 撰者 : 無著道忠撰 |
無著道忠による仏教・禅語辞書。 書名の「風流袋」は、『五燈会元』巻二十、「雲居頑庵徳昇禅師章禅師」章の「十字街頭窮乞兒、腰間挂箇風流袋」とあるのによる。そして命名の由来は、細川幽斎の『耳底記』に出る室町時代の連歌師・宗砌(?~1455)の語による。「乞食は人からもらった物、拾った物をことごとく袋に入れる。そして後になって、袋から出して、捨てるべきものは捨て、食えるものは食う。学者もこのようにすべきである」と。書名に表わされるように、本書が収録するところは実に広範であり、禅学、仏教学の範疇にとどまらず、外典、民俗、伝承など無着道忠が見聞した一切合切が含まれている、一大百科事典でもある。 残念ながら、無着道忠の直筆本は残っておらず、天龍寺湛元の筆跡と思われる写本のみが伝わる。序に寛保肆年仲秋の年記が有る。 |
データベース名 | 説明 |
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句双葛藤鈔
くぞうかっとうしょう 刊記 : 元禄5年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 |
内題:宗門葛藤集。1字から20字の禅語にカナ注を付したもの。室町時代から江戸初期の禅録の解釈に有効である。 |
柳枝軒版『禅林集句』
りゅうしけんばん『ぜんりんしゅうく』 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 |
内題:句双紙尋覓。版心:禅林雑句・禅林集句の名が混在。 禅語の学習や禅句の尋覓(検索)のため、東陽英朝によって編集されたと言われる一言から八言対に至る禅語集。本書は、己十子が禅句を増補し、さらに典拠および私註を付したものである。室町・江戸期の禅録の解釈にも役立つ。 なお、本画像には未収録だが、裏表紙見開きに「柳枝軒、小川多左衛門」の刊記がある。 |
無刊記本『句双紙尋覓』
むかんきぼん『くぞうしじんみゃく』 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 |
柳枝軒版『禅林集句』の解題を参照。 柳枝軒版『禅林集句』と同じ。ただし一八五丁末尾の一行を欠くなどのわずかの異同がある。 無刊記。 |
點鐵集
てんてつしゅう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 逆翁宗順編 |
逆翁宗順(1433~1488)編。全25巻。 序文は天隠龍澤(1422~1500)。本書には、約100種もの諸書より古人の語句を集め、それらを上平一東の韻から下平十五咸に分類している。総数でおよそ39,500句を収録したもっとも浩瀚な「禅林句集」であり、また韻書、辞書も兼ねており、室町中期より江戸期を通じ、主に漢詩の創作の際に用いられた。 |
データベース名 | 説明 |
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臨濟録撮要鈔
りんざいろくさつようしょう 刊記 : 元禄4年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 鉄崖道空撰 |
鉄崖道空(1626-1702)撰。元禄4年(1691)刊本。 |
臨濟録摘葉抄
りんざいろくてきようしょう 刊記 : 元禄11年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 耕雲子撰 |
耕雲子撰。元禄11年(1698)刊本。 |
臨濟録鈔
りんざいろくしょう 刊記 : 寛永7年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 |
寛永7年(1630)刊本。 |
臨濟録密参請益録
りんさいいろくみつさんしんえきろく 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 古帆周信撰 |
古帆周信(1570-1641)撰。写本。 |
臨濟録夾山鈔
りんざいろくかっさんしょう 刊記 : 承応3年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 |
承応3年(1654)刊本。 |
臨濟録萬安抄
りんざいろくばんなんしょう 刊記 : 寛永9年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 万安英種撰 |
万安英種(1591ー1654)撰。寛永9年(1632)刊本。 |
臨濟録贅辯
りんざいろくぜいべん 刊記 : 大正14年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 撰者 : 岡田自適撰 |
岡田自適撰。大正14年(1925)刊本。 |
臨濟慧照禪師語録疏瀹
りんざいえしょうぜんじごろくそやく 刊記 : 享保11年 所蔵 : 春光院 撰者 : 無著道忠撰 |
妙心寺の学僧、無著道忠(1653~1745)による注釈。 享保11年(1726)正月16日に清書をはじめ、同年3月19日に終えたもの。無着74歳のときである。 書名にある「疏瀹(ソヤク)」は、開滌に同じで、ひらき洗うという義。『荘子』知北遊に「孔子、老聃に曰く、今日晏閑たり、敢えて至道を問う。老聃曰く、汝斎戒して、心を而(なんじ)の心を疏瀹し、而の精神を澡雪し、而の知を掊撃せよ。夫れ道は窅然として言い難きかな。将に汝が為に其の崖略を言わんとす。……」とあるのに拠る。
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データベース名 | 説明 |
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碧巖録種電鈔
へきがんろくしゅでんしょう 刊記 : 元文4年 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 大智実統撰 |
大智実統撰。『不二抄』と双璧をなす『碧巌録』の注釈書。元文4年(1739)刊本。 |
碧巌集景聰臆断
へきがんしゅうけいそうおくだん 刊記 : 元禄2年 所蔵 : 清泰寺 撰者 : 景聡興勗 |
室町末・戦国期、美濃の禅僧・景聡興勗(1508~1592)による『碧巌録』の注釈書。 景聡は東海派祖・悟溪宗頓の嗣、玉浦宗珉の法を嗣ぐ。美濃に法幢を掲げた景聰は、諸録の注釈書を撰したが、『虚堂録景聰臆断』など、それらには「臆断」の名が付けられた。 跋文によれば、元禄2(1689)年の陰暦2月の如意珠日(吉日)、大主和尚によって書写されたもの。清泰寺蔵・写本。 |
碧巖録萬安抄
へきがんろくばんなんしょう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 万安英種 |
万安英種(一五九一~一六五四)による『碧巌録』の抄物で、『臨済録』の抄物とともに版本が多く流布している。 万安英種は江戸生れの曹洞僧で、肥後大慈寺の大焉広椿に印可された。慶安二年[一六四九]に山城淀城主の永井尚政の後援を得て、宇治興聖寺を再建した。鈴木正三などとも交流し、古風の復古を標榜して門下に対する祖録などの講義記録が抄物として多く残されている。 |
碧巌録大講座
へきがんろくだいこうざ 刊記 : 昭和十四年(1939)刊 所蔵 : 国際禅学研究所 撰者 : 加藤咄堂 |
『碧巌録大講座』(昭和十四年[一九三九]、平凡社刊)は、仏教学者の加藤咄堂(一八七〇~一九四九)による全十五巻の注釈書である。その『碧巌録』全百則に関する講述は、伝統的な禅籍解釈に基づいたものと考えられる。雄弁学で知られる咄堂の特質があらわれており、今なお裨益するところは少なくない。 また、本書の付録として『無門関』『般若心経』『参同契』『証道歌』『普勧坐禅儀』『寶鏡三昧』なども収め、略説を掲載している。 咄堂は、一八八一年に処女作『大聖釈迦』を自費出版したのを皮切りに、『仏教概論』『日本仏教史』などを立て続けに出版した。のち曹洞宗大学(いまの駒澤大学)、東洋大学、日本大学などで教鞭をふるうとともに、教化の方法として弁論・演説について研究を重ねた。 |
碧巌録秘抄
へきがんろくひしょう |
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碧巌録耳林抄
へきがんろくじりんしょう |
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自性寺本『碧巌録秘鈔』
じしょうじぼん『へきがんろくひしょう』 |
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碧巌録新鈔
へきがんろくしんしょう |
データベース名 | 説明 |
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禅宗無門関
ぜんしゅうむもんかん |
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無門関春夕抄
むもんかんしゅんせきしょう |
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鼇頭無門関
ごうとうむもんかん |
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大勝寺本『無門関』
だいしょうじぼん『むもんかん』 |
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正伝永源院本『無門関』
しょうでんえいげんいんぼん『むもんかん』 |
データベース名 | 説明 |
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田原本『四部録』
たはらほん『しぶろく』 |
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四部録萬安抄
しぶろくばんなんしょう |
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南北朝時代刊『五味禅』
なんぼくちょうじだいかん『ごみぜん』 |
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室町時代刊『五味禅』
むろまちじだいかん『ごみぜん』 |
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冠註一鹹味
かんちゅういっかんみ |
データベース名 | 説明 |
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三体詩由的抄
さんたいしゆてきしょう 刊記 : 元禄13年(1700) 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 宇都宮由的(遯菴) |
宇都宮由的(遯菴;1633ー1709)によるカナの注釈。由的抄は、五山以降の偈頌理解のために必須の好資料。 |
錦繍段抄
きんしゅうだんしょう 刊記 : 康正2年(1456)成/文明15年(1483)刊 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 天隠龍澤 |
『錦繍段』は、唐・宋・元の諸名家の詩328首を、天文・地理などの部門別に集めたアンソロジー。本書は室町禅林での作詩のための基本書となり、五山詩にはここに出る詩をふまえた作が多く見られる。 宇都宮由的(遯菴)のカナ抄はもっとも懇切で、五山詩解読のためにはなはだ有効な参考書である。万治4年版の『新刊錦繍段抄』。 |
中華若木詩抄
ちゅうかじゃくぼくししょう 刊記 : 寛永10年(1633) 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 月舟寿桂 |
中国と五山僧の詩を交互に配した詩集。これに月舟寿桂(?ー1533)がカナで注釈をしたもの。 詩題の次にある[ ]内の数字は、岩波書店『新日本古典文学大系』本の整理番号をあらわす。 |
『古文眞寶』 笑雲抄
『こぶんしんぽう』しょううんしょう 所蔵 : 博文館 撰者 : 久保天随 |
『古文真宝』は、漢から宋までの古詩文を収集し分類した書で、宋末元初の編集と考えられている。前集には詩、後集には文章を収めた名詩名文集で、初学者必須の書である。 日本には室町時代始めに伝来し、五山僧の必読書となり注釈書もつくられた。本書のうち『古文真宝前集』の注は、臨済宗聖一派の笑雲清三(生没年不詳。一四九二~一五二〇ころの人)の『古文真宝抄』を注に収めたものである。『古文真宝後集』の注は、笑雲清三が先輩の高僧の注釈を集めたものであり、「松云」は桂林徳昌(大覚派)、「湖云」は湖月信鏡(~一五三四)、「一云」は、真如寺の一元、「梅云」は万里集九(一四二八~?)、「三云」は笑雲清三の注である。
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寛永版 黄山谷詩集
かんえいばん こうさんこくししゅう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 |
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狂雲集
きょううんしゅう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 一休宗純 |
一休宗純(1394~1481)の漢詩文集。その内容は古則に対する拈古を初め、號・賛・当時の禅寺における出来事・事件への風刺に至るまで多岐にわたる。 付記した番号は、芳澤勝弘『一休宗純『狂雲集』再考』(二〇二三年、春秋社)のものである。 |
大日本佛敎全書版『翰林五鳳集』
だいにっぽんぶっきょうぜんしょばん『かんりんごほうしゅう』 撰者 : 大日本佛敎全書 |
後水尾天皇が以心崇伝等、数十名に命じて、代表的な五山詩を蒐集し書写させた、五山詩アンソロジーである。テーマ別に編集されているので、五山詩研究のための格好のものである。以心崇伝が序を、剛外令柔が跋を書き、虎関師錬・義堂周信・策彦周良・天隠龍澤・横川景三など、代表的な五山僧の詩偈が集められている。全六十四巻であり、内容により春・試筆・夏・秋・冬・招寄分・雑和韻・和韻・送行・雑乾坤門・雑人倫・雑気形門・雑生植・雑食器・雑器財 畫圖・扇面・本朝名区・本朝人名・道号・支那人名・孝純・戀・錯雑・旅泊・感懐・祝讃の二十七にわける。 検索結果画面の「大日本佛教全書p.○○○」とあるのは、仏書刊行会編『大日本仏教全書』第一四四冊、第一四五冊、第一四六冊(名著普及会、1983年)のページ数である。 |
今津文庫『翰林五鳳集』
いまづぶんこばん『かんりんごほうしゅう』 所蔵 : 花園大学図書館 |
日本佛教全書版『翰林五鳳集』の原本にあたる写本。全六十四巻のうち、一巻から三五巻までである。大日本仏教全書版も本写本もともに誤りが多いが、相互に対校することができるので、貴重な資料と言える。 |
唐詩選
とうしせん 所蔵 : 博文館 撰者 : 久保天随 |
この注釈は、室町時代ころの書き入れ本から採択されたと思われるものもあり、『三体詩由的抄』などと併せ利用することができよう。
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冷齋夜話
れいさいやわ 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 覚範慧洪 |
作者の覚範慧洪(1071~1128)の在世当時である北宋に活躍した詩人・文人の逸話や彼らの作品に対する評論を集めたもの。特に五山の文学へ大きく影響した。
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増注聯珠詩格
ぞうちゅうれんじゅしかく 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 |
宋の于済・元の蔡正孫が詩作の法則によって唐宋の名詩を集めた漢詩集を『聯珠詩格』と言い、それに注釈を付けた和刻本が本書である。二十巻。発刊年次は不明、京都・富小路三条上ルの皇都書林弘簡堂、須磨勘兵衛刊。 |
帳中香
ちょうちゅうこう 所蔵 : 国立国会図書館 撰者 : 萬里集九 |
萬里集九(1428~?)による黄庭堅(黄山谷)の詩の注釈書。 「帳中香」とは、中国の江南地方で獲れる風味豊かな梨の果汁を原材料とした香のこと。黄庭堅の詩に「江南の帳中香を恵む者有り。戯れに六言を答う・二首(有恵江南帳中香者。戲答六言・二首)」を初め、「帳中香」を主題とした詩が数首あり、それを取って題名としたと考えられる。 国立国会図書館蔵・写本。画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」より転載。 |
天下白
てんかはく 所蔵 : 国立国会図書館 撰者 : 萬里集九 |
萬里集九(1428~?)による蘇東坡(蘇軾)詩集への注釈書。 万里の手になる『梅花無尽蔵』にはその序が載せられており、その名の由来を知ることが出来る。それによると、当時、種々有る蘇東坡詩集の注釈の中で、江西龍派・大岳周崇・瑞渓周鳳によって撰された書が特に優れているとされていた。その三書を熟読した万里が、それらの遺漏をさらに埋めるべく詩集の注を編纂することとなる。ある日、机に寄りかかって居眠りをしていると、夢に蘇東坡を彷彿とさせる柳の冠を被った白髪の老人が現れ、空中を指さし、「天より下る白いものを知っているか」と尋ねてきた。万里はその夢により、自らの注釈書を『天下白』と名づけたという。 画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」より転載。
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石門文字禅
せきもんもじぜん 刊記 : 万暦25年(1579)/寛文4年(1664) 所蔵 : 正傳永源院 撰者 : 覚範慧洪 |
覚範慧洪の詩文・語録集。30巻からなり、門人の覚慈が編纂による。達観の序が付され、万暦25(1579)年、刊行された。本テキストは、寛文4(1664)年、京都二条通鶴屋町・田原仁左衛門発刊の和刻本で、正傅永源院蔵の版本。 |
濟北集
さいほくしゅう 所蔵 : 正傳永源院 撰者 : 虎関師錬 |
虎関師錬(1278~1346)の詩文集。 |
寒山詩
かんざんし 所蔵 : 正傳永源院 |
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寒山詩索頥
かんざんしさくい 所蔵 : 正傳永源院 撰者 : 大鼎 |
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四河入海
しがじっかい 所蔵 : 国立国会図書館 |
画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」より転載。 |
淵明集
えんめいしゅう 所蔵 : 正傳永源院 |
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雪叟詩集
せっそうししゅう 所蔵 : 太平寺 撰者 : 雪叟紹立 |
『雪叟詩集』は、太平寺(現・愛知県豊橋市)に住した雪叟紹立およびその周辺の禅僧の詩文集である。 その内容は、室町時代後期から安土桃山時代にわたる、主として妙心寺派の僧による詩、法語、古則に対する著語、文、書簡などであり、写本の筆跡は一筆ではなく、数人の手で書かれたものである。そこに見えるのは、きわめて高度なテクニックを駆使した詩作であり、まさに「五山文学」そのものである。『雪叟詩集』は、この時代の妙心寺僧がどのような文芸活動を行っていたかを知るための好資料である。 |
高木文庫本『翰林五鳳集』
たかぎぶんこばん『かんりんごほうしゅう』 所蔵 : 国立国会図書館 |
高木文庫本『翰林五鳳集』。全六十四巻のうち一巻から十二巻と十八巻から二十巻のみ。 画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」より転載。
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データベース名 | 説明 |
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さし藻草卷之一
さしもぐさまきのいち 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
さし藻草卷之二
さしもぐさまきのに 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
さし藻草御垣守
さしもぐさみかきもり 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
遠羅天釜卷之一
おらでがままきのいち 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
遠羅天釜卷之中
おらでがままきのちゅう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
遠羅天釜卷之下
おらでがままきのげ 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
夜船閑話
やせんかんな 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
夜船閑話卷之下
やせんかんなまきのげ 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 白隠慧鶴 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
假名葎
かなむぐら 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 |
白隠慧鶴自筆刻本。 |
データベース名 | 説明 |
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祖庭事苑
そていじえん 刊記 : 紹興24年(1154)重刊 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 睦庵善卿 |
宋・睦庵善卿撰。紹興24年(1154)重刊。21種の禅録から選んだ禅語を集め、その本拠などを記したもので、最古の禅語辞典とされる。底本は正保4年刊の花園大学図書館蔵本。 |
禪林疏語
ぜんりんしょご 刊記 : 寛文12年(1672)重刊 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 永覚元賢 |
全1巻。永覚元賢(1578-1657)が、書記に充てられた時に作成した疏文を集成したもの。疏は、通常、四六文で、禅林日用文書に用いられる。寛文12年(1672)重刊本を影印した貝葉書院本。 |
禪林疏語考證
ぜんりんしょごこうしょう 刊記 : 延宝9年(1681)刊 所蔵 : 花園大学図書館 撰者 : 超然道果 |
全4巻。永覚元賢撰『禅林疏語』中の語句について、超然道果が典拠意味などの注釈を加えたもの。疏の製作には、機縁や古典に関する知識が不可欠なため、こうした注釈書が必要とされた。 |
諸録俗語解
しょろくぞくごかい 所蔵 : 大蔵院 撰者 : 桂洲道倫・湛堂令椿・大蔵院主 |
『諸録俗語解』は、『禅関策進』『博山警語』『大慧書』『圜悟心要』『碧巌録』といった宗門の基本書に出る難解な俗語を集め、これを考証しその解を付したものである。 写本がいくつかあるが、今回、用いたものは大蔵院本であり、最も最初の写本と考えられる。大蔵院本は、布施袋の裏面に速筆で書かれているが、筆跡は天龍寺本・法常寺本とおなじものである。また項目数は天龍寺僧堂本、法常寺本よりも少ないが、天龍寺僧堂本、法常寺本には記されていない項目や記述も見られる。第2冊から始まり第5冊まであるが、第1冊があったわけではない。また別冊『参攷類語』乾・坤と『俗語解』上・下がある。 該当項目の次に【】で示した数字は、翻刻された禅文化研究所『諸録俗語解』の項目番号である。
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燕南記譚
えんなんきたん 所蔵 : 寒山寺 撰者 : 天嶺性空 |
松島瑞巌寺の一〇五世、天嶺性空(一六六九~一七四〇)の校證随筆。 禅語の校證を主とし、松島瑞巌寺にまつわる逸事も記録する。 禅録に出る俗語については、黄檗僧から聞いた中国での解釈を載せることもある。 |
データベース名 | 説明 |
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欠伸稿 乾
かんしんこう けん 所蔵 : 龍光院 撰者 : 江月宗玩 |
江月宗玩自筆本。慶長から元和年間の語を収録しいるが、博多崇福寺語、後半生の語は含まれていない。分量的には、影印で刊行されている写本「孤蓬庵本」のほぼ半分だが、「孤蓬庵本」には含まれていない偈頌がかなり多く見られる。そのなかには私的なものがあり、江月の人柄を証す好資料であるばかりでなく、同時代の文化人との交流を記録しているので、寛永文化の消息をうかがう上での貴重な情報を含んでいる。 『欠伸稿 乾』には、拈香・下火、偈頌、書、加筆が収録されている。 検索結果画面の「思文閣出版版 p.○○○」とあるのは、芳澤勝弘編著『江月宗玩 欠伸稿訳注 乾』(思文閣出版、2009年)のページ数である。 |
欠伸稿 坤
かんしんこう こん 所蔵 : 龍光院 撰者 : 江月宗玩 |
江月宗玩自筆本。慶長から元和年間の語を収録しいるが、博多崇福寺語、後半生の語は含まれていない。分量的には、影印で刊行されている写本「孤蓬庵本」のほぼ半分だが、「孤蓬庵本」には含まれていない偈頌がかなり多く見られる。そのなかには私的なものがあり、江月の人柄を証す好資料であるばかりでなく、同時代の文化人との交流を記録しているので、寛永文化の消息をうかがう上での貴重な情報を含んでいる。 『欠伸稿 坤』には、法語、供養、佛祖賛、畫圖賛、道號、眞賛、自賛、記・銘が収録されている。 検索結果画面の「思文閣出版版 p.○○○」とあるのは、芳澤勝弘編著『江月宗玩 欠伸稿訳注 坤』(思文閣出版、2010年)のページ数である。 |
虎穴録
こけつろく 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 悟渓宗頓 |
妙心寺派四派のひとつである東海庵の祖で岐阜瑞龍寺開山・悟渓宗頓(1415~1500)の語録。全2巻。 上巻には夢菴如玄の序(享保6年)、後土御門天皇の論旨(文明2年)、後土御門天皇より号を賜ったときの勅使(明応6年)や、大徳寺、妙心寺等の歴住の語録、示衆、法語、偈頌、道号、像賛、自賛、銘を収録している。また下巻には、仏事、行状に加え、旧刊の行状と跋、附録を収録しており、室町禅林を研究するうえで重要な資料である。 検索結果画面の「思文閣出版版p.○○○」とあるのは、芳澤勝弘編著『悟渓宗頓 虎穴録訳注』(思文閣出版版、2009)のページ数である。 |
禅林類聚
ぜんりんるいじゅう 刊記 : 大徳十一年(1307) 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 善俊・智境・道泰 |
元の天寧万寿寺善俊、および智境、道泰らの共編。大徳十一年(1307)に成る。禅宗の公案と拈頌の最も総合的な集大成の書。『五灯録』と諸家の語録中より五千二百七十二則を選び、いちいち原典によって本文を刪定し、その内容によって、これを帝王、宰臣、儒士以下一百二門に分類し、検索の便を計ったもの。 刊本としては、春屋妙葩の臨川寺版をはじめ、五山の開版がかなりあり、わが延宝三年(1675)に卍元師蛮が全篇に亘って訓点を付したものも流布する。 別に『禅林抜類聚』四巻があり、続蔵はこれを収めるが、『抜類聚』に基づいて注釈を加えたものに、『撮要鈔』(一名「本則鈔」)四巻がある。 |
禅林抜類聚
ぜんりんばつるいじゅう 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 |
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感山雲臥紀譚輯略
かんざんうんがきだん 所蔵 : 正傳永源院 撰者 : 本宗元珍 |
『感山雲臥紀譚(談)』は、大慧宗杲(1089~1163)の法嗣である仲温暁瑩(生没年不詳)が紹興年中(1131~1162)に、感山の雲臥庵に退居していた折に、見聞した逸話や修行者の拠って立つべき警語を集めたもの。その『雲臥紀譚』に本宗元珍が注釈を施したのが本書である。しばしば版を重ねたようで、本テキストは発刊の年次は不明であるが、末尾より江戸期に京都の書肆、松月堂・小川源兵衛により刊行されたことが分かる。 |
夢窓國師語録
むそうこくしごろく 所蔵 : 正傳永源院 |
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林間録
りんかんろく 所蔵 : 正傳永源院 |
覚範慧洪が道俗の弟子のために、古来の尊宿や高行の大夫等の逸話、参禅の遺訓などについて語った三百余篇の談話を、門人の本明が筆録して一書としたもの。大観元年(1107)に、臨川の謝逸が序を付しており、書名は林間に清談せる語録の意である。 別に『新編林間後録』一巻があり、賛、序、銘等の詩文を集めているが、これは慧洪の詩文集『石門文字禅』の中から抜萃改編したもので、おそらく後人の付会であろう。 |
興禅護国論
こうぜんごこくろん 所蔵 : 正傳永源院 |
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興禪護國論鑿竅
こうぜんごこくろんさっきょう 所蔵 : 正傳永源院 |
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雲門廣録
うんもんこうろく 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 柳田文庫 |
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宗鏡録
すぎょうろく 所蔵 : 正傳永源院 |
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虛堂録
きどうろく 所蔵 : 正傳永源院 |
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荊叢毒蘂
けいそうどくずい 所蔵 : 花園大学図書館 |
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羅湖野録
らごやろく 所蔵 : 正傳永源院 |
データベース名 | 説明 |
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五灯拔萃
ごとうばっすい 所蔵 : 大徳寺龍光院 |
『五燈會元』の注釋書である。室町期の筆冩本と思われる。録中の難解な俗語、俗諺への注は貴重なものである。もっとも多い注は、一山一寧(1247~1317)によるものだが、そのほか大休正念(佛源禪師、1215~1289)、約翁徳儉(佛燈國師、1244~1320)の注も見える。また『禪林方語』に見える注も多く引用されているが、その中には現在伝わる數種の『禪林方語』写本には収録されていないものも多くある。 注釋部分は翻刻してあるので、『五燈會元』本文のみならず、注釋部分の語からも検索できる。 原本は大徳寺龍光院所藏本である。 |
データベース名 | 説明 |
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五雑組
ござっそ 刊記 : 寛文元年(1661) 所蔵 : 花園大学国際禅学研究所 撰者 : 謝肇淛著 |
明・謝肇淛の著。事物を天・地・人・物・事の五類に分類し、考証を加えた書。 本テキストは16巻の和刻本で、寛文元(1661)年陰暦11月刊。花園大学国際禅学研究所蔵の版本。 |
データベース名 | 説明 |
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富士山志
とみすさんし 刊記 : 寛政十年(1798) 所蔵 : 如法寺(大洲市立博物館保管) 撰者 : 兀庵素徴 |
盤珪永琢(1622~1693)の法語・語録・行業記・逸事状・年譜などを収録し、盤珪の禅風が如何に成り立っているかを知らしめる資料として重要である。 また、大洲(いまの愛媛県南西部)の富士山如法寺に関する人事・物件・文書類を収めるとともに、歴代の住持や弟子の伝記、法系譜、外護や支援をしていた居士・大姉・信徒の記録、寺殿の建設や改修についての記録まで収録する。或いは龍門寺(網干)・光林寺(江戸)・雄香寺(平戸)・寶津寺(丸亀)など、盤珪の門派寺院の記録や関連の塔銘・偈頌なども採録しており、近世禅宗史を知るうえでも非常に豊富な資料類といえる。 |
元亨釈書
げんこうしゃくしょ 刊記 : 元亨二年(1322) 所蔵 : 正傳永源院 撰者 : 虎関師錬 |
臨済宗の学僧である虎関師錬(1278~1346)が鎌倉末期の元亨二年(1322)に編纂した仏教史書である。全30巻。仏教伝来より鎌倉期までの日本仏教史を体系的にまとめた書物としては最も古い部類に属するものであり、今なお参照すべき記述が多い。 |